インターナショナル・スクールの先生へのワークショップ

子どもたちの学びにとって何が本当に大事なのか?

そんな探究心からハートのコミュニケーションに関心を持ったインターナショナル・スクールの校長先生との出会いから、先生たちに向けたワークショップが実現しました。

場所は、クアラルンプールにあるイートンハウスマレーシア。


(ホールには誰もが自由に弾けるピアノが置いてあります)

お子さんがこのスクールに通っているというみりさんから「とっても素敵な校長先生がいるんです!」と先生をご紹介をいただいたのが、2018年10月。みりさんのお招きでマレーシアでハートのコミュニケーションのワークショップを開催したタイミングでした。

校長室で短い時間お話をして「どんな気持ちも、いのちが大切にしているものがあることを教えてくれているんです。どんな気持ちにもOKと受けとめ、大切なものに意識を向けて、それを大事にすることを学んでいくことはとても豊かなことなのです」と分かちあい。学校でつかうのだったら、簡単にイラストを描いて感情やニーズを表現することもできますよと、ご提案をしてきました。


(この頃、まだこのスクールに着任したばかりだった校長先生と)

その後、みりさんと、ハートのコミュニケーションのワークショップにきてくれたこまこさんという二人のお母さんが、学校の先生にワークショップを開催。


(みりさんと、こまこさん。2018年10月にmamanoteで開催したワークショップでご縁をいただきました)

そして、Love Smart Cardsマスターファシリテータの今井が、IAF Asia(国際ファシリテーション協会アジア大会)の参加のためにマレーシアを再び訪れるタイミングの2019年9月、先生向けにワークショップの開催となったのです。

このスクールは校長先生の方針やさまざまなアイデアが話題になり、この1年の間に生徒も生徒の数もぐっと増えて、現在はなんと60カ国の人たちが通うスクールとなっているのだそう。全校生徒230人ほどでのこの数字。びっくりするほどの多様性だと思いませんか?!

この日のワークショップは、30人ほどの先生たちを対象とした1時間ほどのもの。教育に情熱を燃やす先生たちが集う場とあって、場に満ちるパワーを感じます。

「皆さんに2つの軸でお尋ねします。ワクワク(Excited!)の人は部屋の左側、落ち着いている(Calm)の人は部屋の右側。そして、ハッピー(Happy)な気分の人は部屋の前方、悲しい(Sad)な人は後方だとすると、部屋のどのあたりに立つのが今の気分を一番近く表しますか?」。

自分自身の気持ちや感覚を確かめながら「いま・どんな(What’s alive in you)?」と、みなさんのエネルギーの状況をチェック。

そして今度は、ペアを組んでもらって「人生を豊かにするもの(What makes life wonderful?)」について1分ずつ話をしてもらいます。
*追記:NVCをつくったマーシャルさんはWhat makes life wonderfulのlifeの前に(誰の)という言葉をつけずに表現し続けていたそうです。ここにも深い理由がありそうですね。

 

このように、NVC(共感的コミュニケーション:Nonviolent Communication)の大切にする2つの問いを使ったチェックイン(今の気持ちや感覚を確認すること)から、NVCの紹介に入りました。

私たちのいのちを動かし続ける、とても大切なもの、ニーズ。それは例えば、理解されること(To be understood)や、思いやり(Care)や、触れること(Touch)など。国や文化、世代や性別を超えて普遍的なものと言われています。

そして、ニーズが満たされていると、嬉しい気持ちになる。ニーズが満たされていないと不快な気持ちになる。気持ちは、ニーズを知らせてくれるシグナルなのです。


ワークショップでは、コミュニケーションの実践のワークもします。

話し手は、もやもやしたり、気に掛かることを話してみる。そして、。聴き手は言葉の奥底にある大切なもの(ニーズ)に耳を傾け、そのニーズを表現する言葉の書かれたカードを相手に差し出します。その人の存在に寄り添うようにして…。

すると、たとえ話し手が言葉で表現していることが、不満や苛立ち、自分や相手を悪くいうこと(間違っているとか、xxxすべきとか、xxxに値しないとか)だったとしても、それらが全て(大事なものを伝える言葉)に聴こえてくるのです。

 

一人が話す時間は2分。それを聴いた二人が、感じ取ったニーズの言葉を渡す。話した人はそれを受けとめてどんな感じがしたか味わう…。というシンプルなワークを、3人一組になって行いました。

共感を受けとる方も、差し出す方も、気づけばあたたかい気持ちでお互いを受けとめあっている。「共感的に聴く」ことも「共感を差し出す」ことも「受けとる(味わう)」ことも、回を重ねるごとに深まりが増してゆきます。

子どもたちが対立(けんか)している時には、「どんな気持ちなの?」「本当は何を大切にしたいの?」と尋ねていくことができる。「どちらが悪くて何を正すべきか」を考える代わりに、その人の人間性そのものを受けとめていく。どんな気持ちも、いても大丈夫。そこからつながりを見出していこう…。

「大切なニーズにつながったら、xxが大切なのかな… ?これを大切にするために、どんなことができそうかな…?」と対話をすることも、きっととても役にたつ。

そんな感覚を先生たち全員で共有する、とても豊かな時間となりました。

ここから、どんな可能性の扉が開かれてゆくのか…。これからがとても楽しみです。

Love Smart Cards日本版は日英併記なので、英語圏の方とも使えます。リクエストに応じて英語でのワークショップも開催していますのでご関心がある方は是非お問い合わせくださいね。

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