NVC (Nonviolent Communication:非暴力コミュニケーション)は、人間が人間らしく、こころからつながりあうことを目指すコミュニケーション「いのちの言葉」「共感コミュニケーション」とも言われています。

NVCをつくったのは、アメリカ人の臨床心理学者マーシャル・ローゼンバーグ博士。マーシャルは患者に「診断名」をつけて「悪いところをなおそうとする」代わりに、その人の人間性に目を向けて、たった一人のかけがえのない存在として受けとめていくことを提唱した、カール・ロジャーズ博士の愛弟子のひとりで、マーシャルの考案したNVCの基盤にも「一人のかけがえのない人」として人間をとらえていくという考え方があります。

NVCは「観察」「感情(気持ち)」「ニーズ(大切なもの)」「リクエスト・お願い」という4つのプロセスを通じて、「決めつけること」を手放し、「感じたこと・感覚」を大切にして「大切なもの」につながり、その大切なものを大事にするために相手とつながる「リクエスト・お願い」ことを学んでいきます。

NVCは国連や紛争解決の現場でも伝えられているほか、公教育(韓国では倫理の教科書に紹介されていますし、フランスでは公共教育機関の教師たちの間で伝えられています)や、企業(マイクロソフト社では幹部が必ず読むべき本として推奨されています)、家庭やコミュニティなどさまざまな場所で伝えられています。